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AutoCADコマンド辞典

CUIでカスタマイズファイルを作る|部分CUIx・LISPボタン

CUI・設定の共有・ショートカットのTips一覧
このページでわかること

よく使う操作を、自分のボタンにしてみましょう。CUIで専用の.cuixを作り、コマンドを登録してリボンへ配置します。LISPが動いたら、ボタンから呼び出すところまでつなげられます。

こんなときに使えます

よく使う操作やLISPをボタンにしたい方、専用のカスタマイズファイルを別PCへ持っていきたい方。

どんなときに使うコマンド?

CUIは、AutoCADのボタン・リボン・ショートカットなどを編集するためのコマンドです。現在の保存形式はCUIx(.cuix)。ここではcadlabo-tools.cuixという部分カスタマイズファイルを作り、標準の画面に自分の操作を追加します。まずLINEを呼ぶボタンで仕組みを確かめ、次にLISPへつなげます。

まずはこの操作から

  1. 現在のワークスペース名を控え、既存のCUIxをバックアップします。自分用ファイルの保存フォルダも用意します。
  2. CUIを入力してEnterを押し、「転送」タブを開きます。
  3. 右側の「新しいカスタマイズ ファイルを作成」を選び、右側のドロップダウンから「名前を付けて保存」を選びます。
  4. 例として C:\CADLabo\CUI\cadlabo-tools.cuix に保存します。作成した空ファイルは、まだボタンが表示されなくても正常です。
  5. CUIを閉じ、CUILOADで作成したファイルを選んでロードします。メインCUIxの置き換えではなく、部分ファイルとして読み込みます。
  6. 再びCUIを開き、「カスタマイズ」タブのファイル選択でcadlabo-tools.cuixを編集先にします。
  7. 新規コマンドを作り、名前とマクロを設定してから、自分のリボンパネルへ配置します。
  8. 現在のワークスペースに自分のタブを追加し、「適用」→「OK」で閉じてボタンを試します。

CUI・CUIx・LISP・PGPは何が違う?

名前担当するもの
CUIユーザインタフェースを編集するコマンド。画面の名前としても使われます。
.cuixリボン、ボタン、キーボードショートカット、マクロなどを保存するカスタマイズファイル。
.cui旧形式のカスタマイズファイル。新規作成は現在の.cuix形式で進めます。
.lspAutoLISPの処理本体。CUIxを作成しただけでは、このファイルの処理が自動的に使えるとは限りません。
.pgpL → LINEなどのコマンドエイリアス。Ctrlとの同時押しを設定するCUIのショートカットとは別です。

作業の流れは、ファイルを作る → コマンドを登録する → 画面に置く → 表示するです。どこまで終えたかを分けて確認すると、ボタンが見えない原因を探しやすくなります。

標準とは別に、自分用の部分CUIxを作る

標準のacad.cuix(AutoCAD)やacadlt.cuix(AutoCAD LT)に自分の操作を混在させず、追加分を専用ファイルで管理する方法です。メインファイルのパスはOPTIONS →「ファイル」→「カスタマイズ ファイル」で確認できます。

「転送」タブで作成・保存したら、CUILOAD →「参照」→ 対象.cuix →「ロード」で読み込みます。CUIのカスタマイズツリーに、対象ファイルが部分カスタマイズとして表示されるか確認しましょう。

カスタマイズグループ名には、例としてCADLABO_TOOLSのような他と重ならない名前を使います。ファイル名とグループ名は別の項目で、グループ名には空白を入れません。

編集先を選び、最初のコマンドを登録する

  1. 「カスタマイズ」タブの「カスタマイズ ファイル」ドロップダウンで、自分のcadlabo-tools.cuixを選びます。
  2. 「コマンド一覧」の「新しいコマンドを作成」ボタンを押します。
  3. 新規コマンドを選び、「プロパティ」の名前を「基準線を描く」などにします。
  4. 説明には、実行する操作を短く書きます。
  5. マクロ欄へ、次の文字列を1行で入力します。
CUIマクロ:LINEを開始
^C^C_.LINE;

この例はLINEを開始し、始点の指定を待ちます。図形を完成まで自動で描くマクロではありません。「適用」を押し、自分のファイル側に新規コマンドが作られたか確認します。

記号意味
^C^CEscを2回押す指定。実行中のコマンドを終了してから始めます。
_コマンドやオプションの英語名を使う指定。言語の違いに対応します。
.再定義されたコマンドではなく、標準のコマンドを使う指定。
;Enterに相当する指定。
\マクロ内では利用者の入力を待つ記号。AutoLISP文字列のパス区切りとは分けて考えます。

リボンパネル・タブを作り、ボタンを置く

  1. 自分のファイルの「リボン」→「パネル」を展開します。
  2. 「パネル」を右クリックし、「新しいパネル」を作ります。名前は「CADLaboツール」などにします。
  3. パネルの「行1」へ、コマンド一覧の「基準線を描く」をドラッグします。
  4. 「リボン」→「タブ」に新しいタブを作り、「CADLabo」などの名前を付けます。
  5. 先ほどのパネルを、新しいタブへドラッグして追加します。
  6. ボタンスタイルや表示名を確認し、「適用」を押します。画像は必要に応じてCUIのボタンイメージから設定できます。

ツールバーを使う場合も、専用ツールバーを作り、コマンド一覧からコマンドをドラッグする考え方は同じです。この記事ではリボンの手順で進めます。

ボタンが見えるよう、ワークスペースへ追加する

コマンドやタブを作成しても、現在のワークスペースに含まれていないと表示されない場合があります。

  1. CUIのファイル選択を「すべてのカスタマイズ ファイル」へ戻します。
  2. メインファイル側の「ワークスペース」で、現在使っているワークスペースを選びます。
  3. 「ワークスペースの内容」にある「ワークスペースをカスタマイズ」を押します。
  4. 部分ファイルの「リボン」→「タブ」にある「CADLabo」のチェックを入れます。
  5. 「完了」→「適用」→「OK」で閉じ、作成したタブとボタンを確認します。

リボン全体が閉じている場合はRIBBONで表示できます。部分CUIx内で作ったワークスペースは、そのまま現在のワークスペースとして使う方法とは異なります。表示設定はメインファイル側で管理するか、必要なワークスペースをメインへ転送します。

LISPをボタンから実行する

作成環境の記事のhelloenv.lspを使います。まず現在の図面へAPPLOADで読み込み、コマンド欄からHELLOENVを実行できるか確認してください。

そのうえで、専用CUIxに新規コマンドを作り、マクロを次のように設定します。

CUIマクロ:読み込み済みLISPを実行
^C^CHELLOENV;

自作コマンド名はHELLOENVです。_.LINEに使った標準コマンド向けの記号を、そのまま自作コマンドへ付ける必要はありません。

ボタンを押すときにファイルも読み込む例

CUIマクロ:フルパスで読み込み後に実行
^C^C(load "C:/CADLabo/Lisp/helloenv.lsp");HELLOENV;

この例はクリックするたびに.lspを読み込みます。実際の保存先に合わせてパスを変更し、LISPフォルダを信頼できる場所に設定してください。固定パスのまま他のPCへ配ると、同じ場所にファイルがない場合は読み込めません。

LISP連携の例はAutoLISP対応環境が必要です。Windows版AutoCAD LTでは2024以降が対象。古いLTでも標準コマンドのボタンは作れますが、このLISPマクロは使えません。LTでは同名MNLファイルの自動読み込みにも対応していないため、APPLOADなどの読み込み方法を別に用意します。

キーボードショートカットにも割り当てられる

CUIの「キーボード ショートカット」→「ショートカット キー」へ作成したコマンドをドラッグし、「キー」欄から組み合わせを設定します。割り当て済みの操作やWindows側のキーと重なっていないか確認してから適用します。

標準キーを調べる場合はショートカットキー一覧へ。LやCOのような短縮コマンドを変えたい場合は、PGPのエイリアス設定を使います。

バックアップ・別PCへの移行・元へ戻す方法

変更前のメインCUIxと、作成した専用CUIxを別名・別フォルダへコピーしておくと比較できます。変更日がわかる名前で管理しましょう。

移すもの確認する内容
cadlabo-tools.cuixボタン、マクロ、タブ、ショートカットの定義。別PCではCUILOADで読み込みます。
.lspと関連する.dclなど処理本体。CUIxだけを移しても外部ファイルはそろいません。
保存パス・信頼できる場所別PCの保存先に合わせて設定します。マクロ内の固定パスも確認します。
ワークスペースの表示設定移行先でも、自分のタブやツールバーを表示対象に追加します。

自分の追加分を外したいときはCUIUNLOADで専用のカスタマイズグループを選び、ロード解除します。これはファイル削除ではありません。メインのカスタマイズを一括リセットする前に、自分の部分ファイルを外して切り分けましょう。

ボタンが出ない・動かないときの確認

症状確認する順番
CUIxは作ったが画面が変わらないCUILOADで読み込み → コマンド作成 → パネル・タブへ配置 → ワークスペースの表示設定。
コマンドが標準ファイルに入ってしまった新規コマンドを作る前の「編集先」の選択を確認。必要な定義を転送して専用ファイルへまとめます。
タブは見えるがボタンがないタブにパネルが入り、パネルの行にコマンドが配置されているか確認します。
LISPボタンで不明なコマンドになる現在の図面でHELLOENVを直接入力。動かなければLISPの読み込み側から確認します。
別PCへ移したらLISPが見つからない.lspも移したか、保存パスと検索パス・信頼できる場所が一致しているか確認します。
適用しても設定が保存されない対象CUIxが読み取り専用や企業管理のファイルでないか、保存フォルダの書き込み権限を確認します。

たとえば、こんな使い方

最初は「基準線を描く」ボタンでLINEが始まるところを確認します。次にHELLOENVへ置き換えると、CUIが処理本体ではなく、操作を呼び出す入口だとわかります。

実務で試す:自分のボタンからHELLOENVを呼ぶ

環境設定の記事で用意したLISPを、CADLaboタブのボタンから呼び出します。

  1. 現在の図面でHELLOENVを直接入力し、実行できることを確認します。
  2. cadlabo-tools.cuixを編集先に選び、新規コマンドのマクロを ^C^CHELLOENV; にします。
  3. 自分のリボンパネルにコマンドを置き、ワークスペースでタブを表示します。
  4. CUIを閉じてボタンを押し、コマンドラインの表示を比較します。

ここまでできたら確認してみましょう

直接入力したときと同じ文が表示されれば、LISPの実行とボタンの割り当てがつながりました。別の図面でも使うなら、その図面での読み込み方法も確認します。

練習用の例です。図面のコピーを用意して、今の設定を控えてから試しましょう。CAD実機での検証は未実施です。

つまずきやすいポイント

新規コマンドを作る編集先、パネルに置く操作、ワークスペースで表示する操作は別です。CUIxを保存しただけでボタンが出ると思わず、順番に確認します。

うまくいかないときは

LINEの短いマクロへ戻してボタンだけを確認し、LISPはコマンド欄から別に試します。両方が動いてからHELLOENVのマクロへ戻すと、画面設定と読み込みのどちらに問題があるかを絞れます。

公式資料・確認範囲

資料確認:2026-10-11。操作は主に Windows版 AutoCAD / AutoCAD LT(LISP連携はLT 2024以降) を想定。資料の対象年はリンクに記載しています。画面や選択肢はバージョンで異なる場合があります。 操作例は編集部作成で、CAD実機での検証は未実施です。